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更年期障害の治療の選択肢としてのホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法(通称:HRT)は、更年期障害の緩和に用いられる治療法です。


飲み薬、貼り薬、ジェルタイプの3つのタイプがあるエストロゲン製剤を使って閉経前後の10年間で急激に分泌量が低下する女性ホルモンのエストロゲン補って更年期特有の体の不調や不定愁訴を緩和していきます。


欧米では更年期障害の治療のスタンダートといっていいホルモン補充療法ですが、日本においての普及率はたったの2%。漢方などの代替療法がある東アジアのなかでも日本の2%という数値は極端に低い数値といえます。


(※台湾が18%前後、韓方大好きのお隣韓国でも8%前後です。)


更年期障害の治療方法としてホルモン補充療法(HRT)が普及しない原因には、


● ホルモン治療=ガンになるというイメージがあるから
● ホルモン補充療法で使う治療薬が安く儲からないから
● 保険診療システムに問題があり、保険適用内では十分な治療ができない


という理由があるからだといわれています。


日本には、日本産婦人科学会と日本更年期医学会が共同で作成したホルモン補充療法のガイドラインがありますが、某新聞社がガイドラインの解釈を間違えた記事を書いてしまったことで、今もそれが事実と誤認された状態で広まってしまっているという問題があります。


今でも新聞や雑誌、ネットで得られる情報のなかにはそのガイドラインの解釈を間違えたものをそのまま引用しているものも多いため無駄に恐怖心や不安を煽り立てられてしまっている状態といえるでしょう。


困ったことに医師のなかでも正しい知識がなく、不勉強であるためホルモン補充療法について正しい知識を患者さんに伝えられていないということも指摘されています。


ホルモン補充療法について無知な医師が多い理由としては、専門外(婦人科について詳しくない)ということもありますが、薬価が安く、儲からないのでHRTについて勉強しないということも大きな要因といわれています。


そんなわけで、ホルモン補充療法(HRT)についてメリット・デメリットをしっかり伝えられる医師が少なければ普及しないのも無理ありません。(製薬会社が薬価の安いHRTで治療することに対していい顔をしないというのもあると思います。)


ホルモン補充療法(HRT)についてよくある勘違いとしては


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×ガンになる・・・〇多少のリスク増はありますが、定期健診さえ受けていれば問題ないレベル
×投薬期間は5年以内が望ましい・・・〇制限はありません。
×治療費が高い・・・更年期障害の治療であれば保険が効く月/3,000円程度
×60代になったらやめないといけない・・・〇年齢制限はありません


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「ホルモン補充療法はガンになりやすい」といっている人達が根拠としていのは、アメリカ2002年に発表された「HRTを5年以上投与した人は乳がんのリスクが26%増す」というWHI報告です。


このアメリカのWHI報告については、サンプルとなる人の選出に大きな偏りがあったこと(すでに乳がんのリスクが高い人達を選出していた)がわかっていますし、※26%増すというのも日本人のケースに当てはめて説明すると、1万人中8人に発症していたものがHRTを受けることで11人になる程度のリスク増しかありません。


(※現在では誤解を招きやすいため〇%増加するという表現は禁止されています。)


臨床試験から2年後の2004年からはこうしたWHI報告についての問題が指摘されるようになり、k2007年以降、WHI研究者は誤りを認めるべきという論文もでてきているほどです。


日本では2006年に、厚生省がHRTと乳癌との関連性に調査を行いましたが、その調査結果はHRTによって乳がんリスクは上がるどころか、60%減というWHI報告とは真逆の報告がされています。


日本のホルモン補充療法は欧米から20年近く遅れているといわれています。その理由は紹介してきたように医師や患者の不勉強であったり、病院や製薬メーカーの都合だったりとさまざまです。


医師の監視下のもと定期健診などいわれたことを忠実に守れば、更年期障害の緩和や改善だけでなく、骨粗しょう症や認知症、動脈硬化など予防医療としても効果が高い方法なので更年期以降のQOLを考えたとき、ホルモン補充療法(HRT)を選択肢として考えることは悪くないはずです。