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妊娠と産後はホルモンバランスが大変動する!

プロゲステロンとエストロゲンという2つの女性ホルモンが周期的に入れ替わるように増減して女性の体を支配しているというのはすでに「女性ホルモンの働きと生理周期」でお話したとおり。


では、妊娠~出産にかけて、女性ホルモンはどういう働きと変化をするのでしょうか?


まず、妊娠をすると、黄体ホルモンであるプロゲステロンの分泌が増加します。これは、赤ちゃんが成長しやすいように子宮内の状態を整えて胎盤を完成させるためで、流産を防いでくれます。このようにプロゲステロンは妊娠初期には非常に重要な役割を果たします。


しかし、プロゲステロンの負の側面もでてくるので注意しないといけません。


例えば、妊娠中はイライラや憂鬱といった感情的な起伏が激しくなるといわれますが、プロゲステロンが増えてホルモンバランスが崩れるとどうしても精神的に不安定になります。


よく笑うと思ったら次の瞬間、泣いているなんてことはザラにあります。


ホルモンバランスが乱れることで自律神経に影響がでているので、これを理性でコントロールしろといっても難しいものがあります。もちろん症状の程度には個人差がありますが、妊娠中の感情の起伏の激しさには本人はもちろん、周囲の人も大変な思いをします。


肌への影響としては、プロゲステロンはメラニンを生成するメラノサイトを刺激するので、紫外線への感受性があがり、シミが作られやすくなります。また、ホルモンバランスが影響するといわれる肝斑という種類のシミができてしまうきっかけにもなります。


女性ホルモンの状態によって出来たシミや肝斑は、産後、自然に治るといわれていますが、そのままシミや肝斑が居座ってしまって消えないと悩んでいる人もいるので妊娠中は紫外線対策はいつも以上に欠かせなくなります。


また、妊娠中の便秘にもプロゲステロンが関係しています。


もうひとつの女性ホルモンのエストロゲンですが、こちらも妊娠を継続させるために胎児の成長にあわせて子宮や大きくしたり、母乳を作る準備として、乳房の中に張り巡らせている乳腺を発達させます。


プロゲステロンもエストロゲンも胎盤がある程度の大きさにまで成長すると胎盤から分泌されるようになるので、どちらのホルモンの数値も妊娠末期までは増加し続けます。


産後はこの妊娠中に大量に分泌されていたプロゲステロンとエストロゲンが一気に減少するのでここでもまたホルモンバランスの大きな変動の影響を受けて心身にトラブルが発生することが珍しくありません。


産後、身体にあらわれる症状としては白髪や抜け毛が増えたり、シミ、乾燥、湿疹や痒みなどの肌トラブルといったことがあります。それから精神的なものとしてはイライラして攻撃的になることや産後うつといったことが典型的な症状です。


特に産後うつは、出産を経験した3~5割の女性が経験するようで、これはエストロゲンが急激に減少することでセロトニンなど脳内神経物質の働きも悪くなるからといわれています。


産後から体が回復する過程で治るものなので、一過性のものとして考える医師もいるようですが、ストレスや生活習慣、あるいは本人のまじめな生活などから、産後うつも数か月、数年と長引く場合があり、なかには自殺にまで発展することがあるのでやっかいな問題といえます。


他にもまだまだ妊娠中の女性ホルモンの働き、産後のホルモン減少による心身への影響といったことはあると思いますが、いずれにせよ、女性ライフステージのなかでも妊娠・出産は女性のホルモンに大きな影響を受けるということです。


このホルモンバランスの大変動期には周囲のサポートが欠かせません。しかし、まだまだ周囲の理解(特に会社や夫など)が得られないことも多く、多くの女性が辛い状況に追いやられているようです。